第5回 「目標」で仕事の質が変わる
さて、目標の設定にしろ問題の解決にしろ目の前の事象に囚われていると誤った方針で作業を進めてしまい、無駄な時間を弄することになったことはありませんか?
なので一旦冷静になって、客観的、俯瞰的に状況をみてみましょう。一般的に人は目の前の事しか見えず、その周りのことを想定することすらできません。そこ俯瞰的、鳥瞰的に物事を分析するためにマインドマップやアウトラインなどのツールを使用して自身のおかれている立場を把握・分析した上でやっと目標を立てることができるようになります。
[参考情報]マインドマップのツールは有償・無償多くありますが、筆者のお勧めはXMindというツールでタイムラインツリーの形式での分析です。「XMind
無料版」でネット検索すると容易に入手できます。
少し話がそれましたが、俯瞰的な分析手法を使い問題の本質、自身のおかれている状況を分析した後、遠い将来-直近の目標とその目標を達成する上での作業や行動の各々の時期と達成目標を数字で示すマイルスストーンを決定します。ここまでの段階がプロジェクトの正否を左右しますので焦らずに十分な時間とお金を掛けて行います。必要であれば外部のコンサルタント等を雇って知恵を得ることも検討して下さい。
第3回の技術の伝承を行うにあたってその伝承すべき目標のプランニングについての説明から派生して第4回と今回で概要について説明しました。技術を後輩に伝承するといっても具体的な個別の技術を伝える(覚えさせる)のでは足りません。具体的な実例は資料を残せば済みます。後輩に伝授すべきは問題の本質の見極め方、目標の設定の仕方、作業工程のマイルスストーンの作り方、後は、過去の事例、実験結果の情報のアーカイブの入手方法まで伝えれば十分です。
すべての経験をパターンで覚えたとしても実際に直面する新たな問題は過去のパターンと100%マッチすることは稀です。マッチング度合いがが2/3以下の場合問題の原因は過去の事例と異なる可能性が高いのですが、過去の事例と同じ対処をしようとして間違った対処の方法論を進めてしまい、無駄な作業を行ったり、派生した問題を発生させ全く対処不能な状況に陥ったりします。
結論としては、伝えるべきは対症療法的な事実(見た人が認識した部分のみ)ではなく、本質(真の原因と根本治療法)です。技術レベルの判断は経験年数ではなく、物事に対して本質を理解して対処できる人がシニア、知っている/教えられた事実をもって対処する人がジュニアと考えるべきです。